連続ブログ小説 「光への願い」 第27話

岬は家路につくと、辺りは真っ暗になっていた。今日撮影した桜の木を見返してみた。木全体の写真は1枚しか撮影していなかった。

桜の花のアップや散り行く花びらが主な撮影写真だった。

 

岬は自分が撮影した写真を見てほほ笑んだ。それは自分で自分の心情を映し出す写真だということを岬は理解していたのだ。

 

岬は外を見て

「少しさみしいなぁ」と呟いた。

 

5月末となると日中は暖かい陽気が続いていた。少し動くと汗ばむような日であった。

岬は久しぶりにバイトが休みだった。今まで行けなかった場所へ友達を誘って行ってみた。

 

岬「今日はごめんね。急に誘っちゃって」

真紀「いいの。私も暇だったし、行ってみたいと思ってたから」

岬と真紀は大学で知り合い友達になっていた。知り合って1年が経過しているが、お互いのことをまだまだ知らない部分があった。

 

真紀「岬は今彼氏は?」

岬「今いないのよ。真紀は?」

真紀「私も今いなぁい。今度、合コンに行ってみる」

岬は今まで合コンに行ったことがなかったため、抵抗があった。

岬「いい人っているの?」

真紀「それは、運だよ」

岬「そうだよね。真紀はどんな人がいいの」

真紀「私はやっぱり、かっこいい人がいいなぁ。岬は」

岬「自立した人かな~」

真紀「同じ年代だとまだまだ難しいかもね。」

岬「そうだよね。やっぱり」

そう話しながら、目的のスイーツ食べ放題へたどり着いた。

 

2人はとり合えず食べれるだけ、食べた。

岬「ふぅ~ 食べたぁ。12個食べたよ。真紀は」

真紀「私は10個。もう無理」

 

2人はお互いの求める男性像を話に話した。

岬は真紀の話もじっと聞いて、何かを勉強するかのように聞き入っていた。

今までお付き合いをした人数が2人の岬はまだまだ付き合うということに慣れていなかった。

 

数日後ふいに真紀からメールが届いた。

この前話をしていた合コンの件、できそうだよ。

どうする?

 

という内容であった。

岬は少し考えて真紀へ返事した。

岬「行くよ~ 楽しみ」と短く返信した。

 

すぐに真紀から

今週木曜日ね

19時から駅前の居酒屋になるからよろしく

 

と返信があった。

とても早い返答で、岬の心の変化が追いつかないままに返信がきたのだ。

 

そして合コン当日を迎え、岬は少し緊張していた。

そして予定時間10分前に岬は店に着いた。

 

そうすると男性4人は着席して話をしていた。

真紀も先に到着しており、岬は最後の到着となった。

 

岬「遅くなってごめんなさい」とみんなに言うと、一人の男性が岬に気を遣わせないようにと、まだ時間にもなってないし、

みんな今来たところだからと優しく声をかけてくれた。

 

岬はこの優しい男性が少し気になった。

そして乾杯で会が始まり、一人ずつ自己紹介を始めた。

岬の番になり、恥ずかしそうに小さな声で自己紹介をした。

 

全員の自己紹介が終わるとくじ引きで席の入れ替えをした。最初に声をかけてくれた男性は席が離れあまり、話をすることができなかった。

 

真紀が岬に

「今日はどう、いい人いる?」

と小さく聞くと岬は小さく頷いた。

真紀が「えっ」と大きな声を出すとみんなが振り向いた。

 

真紀「何にもないです~」とみんなに伝えつつ、すぐに岬に誰がいいのか聞いてきた。岬は素直に答えると顔を赤らめた。

 

そして会も終わりに近づき、岬がトイレへ席を立った。そして、最初に気になっていた男性も時間差で席を立ったのだ。偶然なのかどうか。

 

岬はトイレから出るとその男性が立っていたというよりかは、待っていた。

男性「岬さんっていうんだよね」

岬「はい」

男性「僕は健治。今日なかなか話ができなかったけど、今度また話したいんだけどいいかな」

岬「は、はい・・・・・・・・・・・・・」

岬は嬉しくなった。

 

2人は連絡先を交換し、今日は解散した。

 

その夜健治からメールが来た。

今日はありがとう。

おやすみなさい

 

という短いメールだった。

 

岬も返信した

こちらこそありがとうございました。

最初に声をかけてくれてありがとう。嬉しかった。

おやすみなさい。

 

2人の交流が始まった。

 

続く

By natsu