岬はうつむき加減で歩いていた。その時友人の綾が声をかけてきた。
綾「岬~ 何を下向いてんのよ~ ・・・・」
岬「今日ね、朝から少しお母さんと揉めちゃってね」
綾「何を?」
岬「進路のこと。私決まってないんだよね。もうみんなやりたいこと、行きたい大学とか決まってるでしょ。私
決まってないんだよね。何がやりたいのか」
綾「私も一緒だよ。正直わかんないよ。でも、いつか見つかるかなって。岬キレイだから、美容関係とか」
岬「美容か・・・ 考えたこともないよ」
岬は頭の中でイメージをするかのように首を傾け、目が定まっていなかった。
朝のチャイムが鳴るころ、岬は外の校庭をぼっ-と眺めていた。遠くから
「 岬~ 岬~ おい、聞こえるか」と岬の耳に届いたのは担任の声であった。
担任「岬、何を外みてるんだ。話をちゃんと聞きなさい」 担任の一言で岬はハットしたのである。
岬「すみません」
そうして教室内もぴーんと張りつめたように静かになった。
お昼休みのことであった。岬は友達3人と食事をしていた。友人の一人の「香織」が急に岬へ
香織「岬、今度ぱーっと遊びに行こうよ。海とかどう。湘南の海とかさ」
岬「人多いんじゃないの、日焼けするし~。お母さんも勉強しろっていうしさぁ」
香織「たまにはいいじゃない。行こうよ。ねっ」
岬は少し考えたうえで「うん、分かった。行こう。綾も誘っていい?」
香織「隣のクラスの子?」
岬「そう、・・・」
香織「いいよ、この際だからみんなで行こう」
岬「じゃあ、今度の日曜日行く?」
香織「のりがいいじゃん。そういう岬が好きだよ」
岬はどこか心にひっかかるものがあった。
そうして岬たちは海に行くことになった。しかしその前には岬の個人面談が待っていたのである。
続く
by natsu